蝋引き糸

蝋引き糸

菱目打ちであけた穴を縫う糸です。

レザークラフトでは、ふつうの縫い糸ではなく蜜蝋でコーティングされているものを使います。この蜜蝋でコーティングされた糸を蝋引き糸と呼びます。

蜜蝋でコーティングされていることにより、革のような厚い素材でもなめらかに縫うことが出来ます。

蝋引きされていない糸の場合は、縫う前に蝋引きを行ってから縫います。

蝋引きを行う理由

蝋引きを行う理由は大きく3つあります。

毛羽立ちを防ぐ

蝋引きをすることで糸の毛羽立ちを防ぐことが出来ます。糸が毛羽立っていると、レザークラフトの仕上がりに大きな差がでます。
例えば、髪の毛も枝毛や切れ毛が沢山の髪より枝毛や切れ毛の無い髪の方がキレイに見えますよね。
糸も同じで、毛羽だっている糸よりも毛羽だっていない糸の方が、仕上がりがキレイになります。

緩みを防ぐ

蝋引きをした糸と蝋引きをしていない糸を同じ力で縫っても、蝋引きをしていない糸にはどうしても緩みが出てしまいます。
糸は撚って作られますが、縫う際にこの撚りが広がってしまうので、緩んでしまいます。
蝋引きをすることにより、撚りの広がりを防いでくれます。

強度を増す

蝋引きを行うことで、糸の強度が増します。蝋引きを行っていない糸では、縫っている最中に糸が切れてしまったり、完成したバッグや財布などでも日常生活の擦れなどによって糸が切れてしまうことがあります。
蝋引きをすることにより、そのような心配もなくなります。

糸の種類

レザークラフトで使う糸は麻糸やナイロン糸が主流です。
それぞれの違いを見てみましょう。

麻糸

名前の通り、植物の麻で撚られた糸です。麻糸で縫われた縫い目は、見た目も革と相性抜群です。

手芸道具売り場では、エスコードという名前で販売されていることが多いです。

麻糸は蝋引きが必須です。
蝋引きされていない麻糸は、毛羽立ちもすごく強度も弱いため、縫っている最中に切れやすいです。

ナイロン・ポリエステル糸

ナイロン糸やポリエステル糸の特徴は、比較的強度が強く、糸に光沢があります。

強度が強く毛羽立ちもほとんどない為、蝋引きをしなくても縫うことが出来ますが、蝋引きを行うことでさらに強度が増し、縫う際も滑らかで縫いやすくなるので、蝋引きすることをオススメします。

また、ナイロン・ポリエステル糸は、縫い終わりの処理が非常に簡単です。
糸を2~3㎜残し、ライターで焼いていき、最後にライターの底面などで潰すだけで縫い終わりの処理ができます。
値段は麻糸よりも少々高いですが、縫い終わりのしやすさなどからも、初心者にもオススメの糸です。

手芸道具売り場では、ボンド糸ビニモという名前で販売されていることが多いです。

 

蝋引きをしたくない人必見!

蝋引きは意外に大変な作業です。
慣れるまでも大変ですが、慣れたら慣れたで面倒くさくなります。

そんな方には、すでに蝋引きされている糸も販売されています!

というか、最近ではレザークラフト用のナイロン・ポリエステル系の糸は既に蝋引き加工されているものがほとんどです。
蝋引きが面倒な人は、「蝋引き糸」や「ダブルロー引き」と書かれている糸であれば、すでに蝋引きされているので、そちらをお使いください。

糸の太さ

糸には様々な太さがあります。
太ければ太いほど、強度も増しますし、縫い目もはっきり出ます。
バッグなどの強度が必要なものを作る時や、縫い目を目立たせたい時には太い糸を使うなど、用途によって糸を分けることが出来ます。

糸の太さの表記は様々です。㎜表記の物や番手表記の物、細・中・太で表記してあるものなどがあります。番手は数が大きくなるに連れて細くなるので、注意が必要です。
おおよその糸の太さをまとめた表がコチラです。

1.0㎜~1.2㎜0番手
0.7㎜~0.9㎜1番手
0.5㎜~0.6㎜5番手

※あくまでも目安です。

目打ちのピッチ幅から糸の太さを選ぶと、選びやすいです。

  • 5㎜ピッチ
    太・1.0㎜~1.2㎜・0番手
  • 4㎜ピッチ
    中・0.7㎜~0.9㎜・1番手
  • 3㎜ピッチ
    細・0.5㎜~0.6㎜・5番手

どの太さの物を選べば良いかわからないときは、ピッチ幅を参考に選んでみてください。

スポンサーリンク